近頃、「御朱印ガール」などと言われ、お寺や神社の御朱印を集める女性が増えていると聞きます。もともとは近年のパワースポットブームで寺社仏閣を訪れる女子が増え、そこでもらえる(購入する)御朱印が、旅の思い出の一つになるとか……インスタグラムなどでかわいい御朱印、かっこいい御朱印が紹介されると、そうした御朱印をもらうために、わざわざその寺社仏閣を訪れる人も多いとか……。

ただ御朱印を集める人の中にも3種類の人がいて、ひとつは「神社」のみの御朱印を集める人、もうひとつは「お寺」のみの御朱印を集める人、そして一番多いのが、神社・お寺に関わらず、御朱印がある所なら全部もらう(購入する)人です。いずれにしても、神社やお寺を好んで巡る人が増えていることは事実なようですね。

そこで今回は、日本の神社の中でも数あまたある「八幡宮(はちまんぐう)」に焦点を当てて考えてみましょう。

八幡宮は、源氏・平氏 など全国の武家から武運の神(武神)「弓矢八幡」として崇敬を集めた八幡神を祭神とし、武士に縁のある土地を中心に全国各地に建立された神社です。大分県の「宇佐八幡宮」を総本社として、全国に4万社余りの八幡宮があると言われますが、中でも由緒があり、知名度が高いものが一般的に「日本三大八幡宮」と呼ばれ、規模も大きく、参拝者の数も桁違いに多い神社です。

日本三大八幡宮とは、一般的に言えば、総本社の「宇佐神宮(大分県・宇佐市)」を筆頭に、都への勧請以来、本宮の扱いを受けた「石清水(いわしみず)八幡宮(京都府・京都市)」、古い由緒を持つ「筥崎(はこざき)宮(福岡県・福岡市)」の三宮が上げられます。ただし最近では、筥崎宮の代わりに、後世になって知名度が高くなった「鶴岡(つるがおか)八幡宮(神奈川県・鎌倉市)」を加える場合もあります。

それでは、日本三大八幡宮を、それぞれ簡単にご紹介します。

 

  • 宇佐八幡宮(宇佐市)

まず大分県宇佐市にある「宇佐八幡宮」です。宇佐八幡宮は全国4万社余りある八幡様の総本宮です。奈良時代(725年)に創建され、八幡大神(応神天皇)・比売大神・神功皇后を祭神に祀り、鎮守の神として古来より広く親しまれてきました。総本宮の名にふさわしく、本殿が国宝に指定され、緑豊かな土地に広い敷地を持った八幡神宮で、全体を回るのに1時間以上を要します。

 

  • 石清水八幡宮(京都市)

次は京都市にある「石清水八幡宮」です。石清水八幡宮は、男山と呼ばれる小高い山の峯にあり、八幡大神(応神天皇)・比売大神・神功皇后を祀り、貞観2年(860年)に八幡大神様の御託宣を受けて創建されたと伝えられます。古くから人々に「やわたのはちまんさん」と親しまれ、国宝に指定されています。ここを参拝するには、JR京阪電鉄の八幡市駅に隣接された「男山ケーブル(大人往復400円)で登ります。

 

  • 筥崎宮(福岡市)

3番目は福岡市にある「筥崎宮」です。筥崎宮は筥崎八幡宮とも呼ばれ、応神天皇を主祭神に神功皇后、玉依姫命を祭っています。平安時代中期、醍醐天皇が神勅により「敵国降伏」の宸筆(しんぴつ)を下賜され、この地に壮麗な御社殿を建立したと伝えられます。境内には一年を通じて花が楽しめる枯山水回遊式日本庭園の花庭園があり、春先の「春ぼたん」「シャクヤク」、秋の紅葉、冬の「冬ぼたん」など季節ごとに花が楽しめます。また筥崎宮は、九州有数のパワースポットとしても知られています。

筥崎宮への行き方は、博多駅からタクシー利用でも10分ほどですが、公共交通機関なら福岡市地下鉄箱崎線の箱崎宮前駅下車が便利です。駅からは徒歩で3分ほどです。

 

  • 鶴岡八幡宮(鎌倉市)

さて、最後にご紹介するのは、最近、日本三大八幡宮に数えられる場合がある鎌倉市の「鶴岡八幡宮」です。鶴岡八幡宮は康平6年(1063年)源頼義が奥州を平定して鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際してご加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺にお祀りしたのが始まりです。 その後、源氏再興の旗上げをした源頼朝は、治承4年(1180年)鎌倉に入るや直ちに御神意をうかがって由比ヶ浜辺の八幡宮を現在の地に移し、 建久2年(1191年)には鎌倉幕府の宗社にふさわしく上下両宮の現在の姿に整え、鎌倉の町づくりの中心としました。 以降、鶴岡八幡宮は武家の精神のよりどころとなり、国家鎮護の神としての信仰は全国に広まり、鎌倉を中心として興った質実剛健の気風は、その後「武士道」に代表される日本人の精神性の基調となりました。

 この日本三大八幡宮(鶴岡八幡宮を含めて日本四大八幡宮)の御朱印……一つ二つはもらっている人がいると思いますが、三つそろっている人は少ないはず。これを一度に集める旅ができたら……御朱印ガールならずとも、パワースポット巡りの一環としても、面白い旅になりますね。

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