「日本で一番高い所にあるJR線の駅はどこ?」というトンチ問題があります。

真面目に標高の高さで答えると「JR小海線の野辺山駅(長野県南牧村)」で、標高1345.67mもあります。でもこれはトンチ問題なので、求める答えは「東京駅」。そのココロは、東京駅に向かう列車はすべて「上り列車だから」というわけ。

それはさておき、次の問題は「東京駅から北海道までと九州まではどちらが遠いでしょう?」です。これは真面目な問題で、答えは「九州まで」。

東京駅から新幹線を利用した場合、北海道の入り口である新函館北斗駅までの鉄道距離は862.7㎞ですが、九州の入り口である小倉駅までは1107.7kmもあり、その差は歴然です。ただ、ここで面白い現象があります。
それは、この両線を比較した場合、「JRの料金は距離に応じて高くなる」という原則が当てはまらないのです。ちなみに東京駅・新函館北斗駅間のチケット料金は大人片道23,230円ですが、それより距離がある小倉までを同じ新幹線利用でも大人片道21,560円なのです。

「え! どうして!?」と誰もが思いますよね。

その理由は、小倉駅までの東海道&山陽新幹線は、距離の原則に従っての料金設定なのに対し、新函館北斗駅までの計算は、まず新青森駅まで(JR東日本管内)が原則通りの料金で、それから先はJR北海道管内となり、その料金が高いからです。まあ、津軽海峡の海底を50㎞近く掘った工事費が上乗せされていると考えれば多少は納得もできますが……。

そこで今回は、JRを利用に関しては北海道へ行くよりも安い「九州」の鉄道旅を考えてみましょう。

九州のJR線は、新大阪駅・博多駅までが山陽新幹線、そこから先の鹿児島中央駅までが九州新幹線で結んでいます。また、博多駅を基軸に大分県・宮崎県・鹿児島県の海側を走る日豊本線、鹿児島市を結ぶ鹿児島本線、長崎市に向かう長崎本線、さらには福岡の内陸部を走る久大本線や、熊本県と大分県を結ぶ豊肥本線など多くの路線が網の目のように走っています。
九州のJR列車と言えば、凝った素材や室内空間、さらには独特の形状をした車両で知られています。ネーミングも面白く、有名な観光列車を例にあげれば、全4日間の日程で福岡・大分・宮崎・鹿児島・熊本を巡る「ななつ星in九州」を筆頭に、博多駅と大分の由布院駅を結ぶ観光列車「ゆふいんの森(久大本線)」、宮崎駅と南郷駅を結ぶ「特急 海幸山幸」、熊本駅と天草観光の玄関口・三角駅を結ぶ観光列車「特急 A列車で行こう」、鹿児島中央駅と指宿駅間を走る「特急 指宿のたまて箱」、鹿児島中央駅と吉松駅を結ぶ「特急 はやとの風」、阿蘇駅と別府駅間を走る「特急あそぼーい」など、数え上げればきりがありません。
鉄道マニアの間では、これらの観光列車に乗るため、わざわざ九州まで曜日と時間を選んで出かける人も多いとか……。ただし、これらの列車は運行曜日と時間が指定されている列車が多く、それを狙っていかなければ乗れません。

こうした九州の観光列車の中でも、毎日定期運行している列車があります。それが「ゆふいんの森号」と「指宿のたまて箱(特急)」です。「ゆふいんの森号」は、博多駅と由布院駅を結ぶ久大本線に毎日何本か走っています。また「指宿のたまて箱」は、鹿児島中央駅と指宿駅を結ぶ指宿枕崎線に毎日何本か走っていますので、曜日をピンポイントで狙わなくとも、比較的乗りやすい観光列車と言えるでしょう。

由布院駅の名が出ましたので、もうひとつ雑学的知識を披露すれば、この名前、JRの駅名は「由布院」ですが、町名は「湯布院」なのです。なぜそんな違いが出たかと言えば、昭和30年、由布院町と湯平村が合併して湯布院町となったため、町全体を言うときは「湯布院」、昔からある地名などは「由布院」と使い分けるようです。 たとえば「由」は、由布院温泉・JR由布院駅・由布岳、「湯」は湯布院観光協会・湯布院映画祭りなどに使われています。

JR九州には、前述の観光列車だけではなく、素晴らしい車両を持った毎日定期運行の特急列車があります。例えば日豊本線の特急「にちりんシーガイヤ」、長崎本線の特急「白いかもめ」など、JR九州らしい素晴らしいフォルムと内装、乗り心地をもった特急列車があります。

こうした特急列車で九州の旅をしてみませんか? 

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